【動画あり】砥石を使った家庭用包丁の研ぎ方
2019/02/23
【動画あり】砥石を使った家庭用包丁の研ぎ方
目次
こんにちわ、グルメ料理人のキャンティ田村です。
今回は包丁の研ぎ方という一見ハードルが高い話題に触れてみたいと思います。
みなさん、ご家庭の包丁の切れ味は如何でしょうか?
購入してすぐは切れ味に感動していた包丁でも数ヶ月も経つと切れなくなってしまうものです。
例えば、
・トマトを切ると潰れてしまう…涙
・鶏肉の皮が切れない…涙
・玉ねぎを切るとめちゃめちゃ目が痛い…涙出る
なんて時があったらその包丁は研ぎ時だといえます。
ぼくの経験談ですが、安めのステンレス包丁はちょっとメンテナンスをおろそかにすると
「今私はもしかして定規で料理しているのでは?」
と錯覚してしまうほど切れなくなってしまうものです。
それでもきちんと研いであげればなまくらになった包丁でもそれなりに切れるようになりますので是非とも今回の記事を読んでご家庭の包丁を切れ味抜群にして頂きたいと思います。
きっと、どんな包丁でもCMでスパスパやる程度には切れるようになるはずですよ!
いったい研ぐって何なの?
一般的に研ぐといいますと砥石で「シャッ シャッ」と包丁の刃の部分を鋭角にするイメージですよね?
ところがどっこい、研ぐというのは一言でいうと
「刃を付ける」
これに尽きます。
刃を付けるというのは分かりやすく言うと、切れる部分をいわゆるノコギリのような形状にするということなんですね。
ノコギリのギザギザ + 包丁の刃の角度が厚いか薄いか
の具合によって包丁の切れ味と耐久性が変わってくるわけなんですね。
余談ですが、耐久性は包丁の材質に大きく依存します。
砥石の種類と選び方
実は砥石というのは用途によって種類があるのです。
刃こぼれしたものを作り直すように研ぐ為の砥石を「粗研ぎ」、通常の刃付けを行う砥石を「中研ぎ」、研いだ後にノコギリ状の刃を更に細かくして切れ味を綺麗に整えるための砥石を「仕上げ」といいます。
砥石には1000番、2000番などの番号が振ってあるのですが、これは粒度といって研ぐためのヤスリ(便宜上ヤスリといいます)の荒さを意味します。
数字が小さいほど目の粗い砥石となり、一般的には
100~600番位が「粗砥石」
800~2000番位が「中砥石」
3000番位から「仕上げ砥石」
です。
家庭用のステンレス包丁を使っている場合は1000番から2000番の中研ぎ砥石を使えば十分な刃付けを行うことができます。
鋼の包丁も使う可能性がある場合は1000番前後を使えば問題ないでしょう。
ぼくの経験談ですが、きちんと手入れをすれば正直粗研ぎの出番はほとんどないですし(粗研ぎを使うレベルならメーカーか職人に研いでもらったほうがいい)、また職人さんでもない限り仕上げ砥石の出番もほとんどどないです。
実践
実際に砥石を使って研ぐ方法がこちらとなります。
1.砥石を水の中に入れたまま30分程度放置するという工程が必要になります。(ものによってはちょっと濡らすだけでもできちゃったりするのでそこまで気をつかわなくでも大丈夫です)
これにより砥石の気泡に水が浸透し、研ぐ時に水をあまりかける必要がなくなります。
※不吸水性の砥石というものもありますがこちらはこの作業は必要ありません。
2.包丁の角度は砥石に対して45度に固定して研いでいきます。
重要のは研ぎたい部分をしっかりと左手の人差し指、中指で押さえながら研ぐことです。研いでいると濁った水になりますが、これは研ぐのに必要な粉が混ざったものなので洗い流さないようにしてください。
この時うっかり指も一緒に研いでしまわないように気をつけて下さいね。
3.刃を15度の角度で下向きにして付け根から3分の1、真ん中3分の1、切っ先3分の1、をイメージして研いでいきましょう。
特に注意したいのはちゃんと先端のほうまでしっかりと意識して研がないと追々鎌首になってしまいます。
また付け根を研ぐ時は持ち手が当たらないように横目の角度に調節して下さい。
4.片面が終わったら全体にバリ(返り)が出ているはずです。ここで反対側を研ぎます。
方刃包丁ならばここで裏面を軽く研ぐだけで研ぎは完了です。
両刃の包丁なら反対の面も角度を少しだけ浅めにして同じように研いで下さい。更に反対側にバリ(返り)が出るので軽く研いでバリを落とせば完了です。
鋼の包丁を使っている場合は仕上げ砥石で同じ工程を繰り返せばより細かい刃をつけることができます。
5.左手の親指の爪に刃を滑らせると刃がついているかどうかの確認ができます。
包丁の根元は使わないので先から3分の2くらいにしっかりと刃がついているかどうか確認しましょう。
つるつるっとすべるようだとうまく刃がついていない可能性が高いです。
爪にがりっと引っかかるような感じがすればうまく刃をつけることが出来ていますよ!包丁をきれいに洗ってトマトでも試し切りしてみて下さい。
コメント
研げば研ぐほど包丁は磨り減ってしまうのですが、実体験としてはやはり何度もやってみることが上達の道です。(画像の包丁は牛刀なのに研ぎすぎて筋引きほどの細さになっています笑)
何度もやってみるうちに「あっ今研げてる」っていう感覚が指先にゴリッと指に伝わってくるはずです。
買ってすぐの包丁は刃をつけるのにちょっと時間がかかりますが、一度うまく刃がつけばあとは定期的に研いであげれば5分程度で研ぎ終えることができますよ。
オススメの砥石
先述の通り、1000番から2000番の砥石を使用すればおおむね問題はありません。
むしろ気をつけたいのは砥石が滑るという点です。
裸の砥石のみを購入するのと滑ってしまってうまく研げないどころか怪我までしてしまう危険があります。
ですので、最初からストッパーが付いている砥石を購入するか、別途で固定することができる砥石台を購入することをオススメ致します。
貝印 kai 平 砥石 セット (中 仕上 #1000) AP-0303
こちらはコンパクトなうえに滑り止めが付いている砥石台がセットになっています。
家庭用に最初に購入する砥石としてはかなりオススメです。
- どんな包丁でも対応できる。
- 台座が付いているので滑らない!
- 研ぐ時に水をかけても溜めることが出来るので汚れにくい。
藤次郎プロ 砥石固定台 F-643
有名包丁メーカーである藤次郎の堅牢な砥石台です。
愛用の砥石は持ってるけど、研ぐ時に滑ってしまって困っちゃうよという方にはこちらの台座がオススメです。
- シンクに設置できる。
- 重量感があるので滑らない。
- 伸縮するので幅広いシンクや砥石に対応可能!
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