花粉症対策!根本から治療することができる方法|舌下免疫療法
2019/03/20
花粉症対策!根本から治療することができる方法|舌下免疫療法
目次
こんにちわ、キャンティ田村です。
先日2019年のスギ花粉の予想飛散量が発表されましたね。
2018年もスギ花粉の飛散量はかなり多かったのですが、2019年はなんと2018年の約3倍とのことです。
以前花粉によって人口が減少していくという映画を観たことがありますが、ぼくを含め花粉症患者にとってはバカにできない話ですよね。
そこで今回は、花粉症を根本から治療することができる可能性がある唯一の方法である「舌下免疫療法」についての記事を書いていきます。
スギ花粉症の治療
花粉症というのは、植物の花粉が原因となって「目の痒み」、「くしゃみ」、「鼻水」、「鼻づまり」などのアレルギー反応がおきる病気のことです。
中でもスギ花粉が原因となっているものを「スギ花粉症」といい、現在日本では約4人に1人がスギ花粉症であると言われています。
スギ花粉症の治療方法は主に以下の4つとなります。
1.アレルゲンを回避する
室内や寝具などを清潔に保ち、外出時には眼鏡やマスクを使用する。
帰宅時には家に入る前に服に付いた花粉を払い落とす。家に入ったら顔を洗って花粉を洗い落とす。
といった方法でアレルゲンを回避します。
2.薬物療法
飲み薬や点眼薬などを使用して、「ヒスタミン」など花粉症の症状を引き起こす物質の働きや、また鼻の中の炎症を抑えます。
治療というよりはアレルギーの症状を緩和するのが目的です。
3.手術療法
鼻の粘膜を固くしたり、神経を遮断して症状を和らげるという方法です。
保険適用で安全な手術だとされていますが、効果の持続性は平均で2年程度です。
根本的な花粉症の治療ではなく、あくまでもアレルギー症状の緩和を目的とした方法です。
4.アレルゲン免疫療法
体をアレルゲン(スギ花粉)に慣らして症状を和らげるという方法です。
他の方法と違い、根本的な体質の改善が期待できる治療方法です。
舌下免疫療法はこのアレルゲン免疫療法に分類されます。
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アレルゲン免疫療法とは
アレルゲン免疫療法には「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」があります。
皮下免疫療法
皮下免疫療法は、二の腕から皮下にアレルゲンを注射するという治療法です。
注射なので必ず医療機関で行わなければならず、長期に渡って頻繁に通院をしなければならないので治療に対するハードルがかなり高いです。
舌下免疫療法
舌下に治療薬を投与するという方法なので、注射のような痛みがありません。
自宅で服用することができるので、皮下免疫療法よりも通院回数が少なくて済むのもいいですね。
ただし、自宅で行うということは治療法に対する患者の理解が必要となってきます。
日本では、スギ花粉症とダニアレルゲンによる通年性アレルギー性鼻炎が保険適用となっています。
スギ花粉症の舌下免疫療法
スギ花粉の舌下免疫療法は、スギ花粉症と診断された12歳以上の患者さんが受ける事ができます。
現在はスギ花粉症以外の「ヒノキ」「ブタクサ」などの花粉症に対して舌下免疫療法を行うことはできません。
舌下免疫療法のメカニズムは実は十分には解明されていませんが、「シダトレン」というスギ花粉から精製された薬品を毎日舌下に投与することによって、アレルギー反応を抑制する免疫反応がおこることで症状がおさえられると考えられています。
治療は長く続けることが重要で、3~5年間治療を続けることによって最も高い治療効果が期待できます。
そんな時間のかかる治療法なのですが、残念ながらすべての患者さんに効果が期待できるというわけではありません。
舌下免疫療法で期待できる効果
長期にわたり正しい治療が行われると、アレルギーの症状を完全に克服することも期待できます。
症状が完全に抑えられない場合でも、長期に渡って症状を和らげる効果が期待でき、それによって飲み薬などのアレルギー治療薬を減量することができます。
効果が期待できる人
スギ花粉症の舌下免疫療法には効果が期待できる人とそうでない人がいます。
アレルギー検査をした結果のアレルゲン(アレルギーの原因)がスギ花粉のみが突出している(スギ花粉症患者)方にとっては非常に高い効果が期待できます。
逆にスギ花粉の数値よりも「ヒノキ」や「イネ」などの数値が高い場合はスギ花粉の対策をしてもあまり意味はない場合があります。これに関しては自分で決め付けるよりも、一度医師に診断してもらうのがベストです。
※喘息がある方や妊娠中の方、重度の心臓の病気を合併している方などは治療そのものを受けることができません。
舌下免疫療法の副作用
舌下免疫療法には以下の副作用があらわれることがあります。
主な副作用
- 口の中の副作用(口内炎や舌下の腫れなど)
- のどのかゆみ
- 耳のかゆみ
- 頭痛
重大な副作用
- ショック(蒼白、意識の混濁)
- アナフィラキシー※
※治療薬に対する急性の過敏反応により、医薬投与後30分以内で、蕁麻疹や、頭痛、嘔吐、呼吸器系の症状、突然のショック症状など
診療の流れ
実際に治療を開始する場合はおおまかに以下のような流れとなります。
スギ花粉飛散時には治療を開始することができない為、治療開始時期は6月~11月となります。
初回 |
スギアレルギー抗体の血液検査を実施し、花粉症時期などの問診も行う |
2回目 | 血液検査の結果をもとに治療の必要性を判断し、患者さんに治療する意思があれば次回診察の予約をする |
3回目 |
はじめての処方は副作用確認のため医療施設で舌下投与を行い、経過を確認する 問題がなければシダトレン7日の分処方を開始 |
4回目 | 前回の処方から体調に異常がなければ、薬剤の量を増やして7日分処方 |
5回目 | 前回の増量分の処方から体調に異常がなければ、薬剤の量を増やして14日分処方 |
6回目 | シダトレンを28日処方し、その後も異常がなければ4週間に1回の診察・処方を継続していく |
舌下免疫療法を受診するための費用
初回の血液検査のみ5000円~8000円程度かかりますが、舌下免疫療法自体は保険が適用される為1ヶ月で2000円程度が目安となります。
医療機関でアレグラ、アレジオン等を処方されても診察代を含めると年間で10000万円程度はかかることを考えると、長い目でみれば舌下免疫療法を検討する価値はかなり高いといえるでしょう。
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